映画感想
●ホワイト・ノイズ=雑音
「雑音」…らしき描写はあったが、全体から感じるのはバームバック流のパンデミックの生き延び方案内
(映画では毒が飛散して雲と融合し、人体に有害な雨が降るなんだけれども)
●新時代のインディ・ジョーンズ
アダム・ドライバー演じるグラドニー教授は、見えない敵、複雑な世界、不安と恐怖と死(という概念)と闘うアメリカのお父さん
グラドニー教授夫妻はお互い離婚を繰り返しているので連れ子がいっぱい
連れ子と彼らの息子と一緒に「車」で逃げるのがアメリカらしい
(関係ないけど、彼らの子供が「カローラ」って言ってたのはトヨタのカローラ?)
●グラドニー教授は医者に行った時、前をはだけていて膨らんだお腹が出てたけど、本当に太ったのか?メイクなのか?
●最後スーパーのダンス、みんながユルく踊っている中、グラドニー父ちゃんはひたすらスーパーのビニール袋に買った商品を詰めまくっているのでフフフってなった
●友達の教授がエルビスの話をする合いの手にグラドニー教授がヒットラーの話を入れるシーン
グラドニー教授が死の恐怖を思い入れたっぷりに語る時、毒を積んだタンクと列車が激突するシーンが相まって圧巻、 震えがきた
黒いサングラス、黒い教授のローブが悪魔、死神を連想した
怖い
アップグレードしたカイロ・レン
●アメリカ映画の激突は「浮遊感と楽しさがあるんだ」というフリからの
本当に激突、爆発、炎上、雷、豪雨
緊張と緩和が絶妙
延々と続く、揚げ足取りと不条理な会話に飽きたところで爆発
飽きさせない演出
●外の災害だけかと思ったら、まさかの妻が浮気していた内なる災害が発覚
グラドニーの薬(死の恐怖を和らげる)の探し方がクレイジー
ピストルで浮気相手を銃撃
教会みたいな病院で浮気相手を助けるというクレイジーな展開
命を救う病院と魂を救う教会のダブルイメージ
神を信じない、信じるフリをしていたナース兼聖職者
●スーパーマーケットが「日常」の象徴のようだ
非日常と日常が並行している
爆発、災害があっても日常は続くむしろ新たな方向へ進む
→そんなことをまとめのように熱く語っていた避難所のおじさんの妙な説得力
→そのおじさんに話しかけられたグラドニーの後ろに日本の国旗が飾ってあった
●マリッジ・ストーリーの父を演じたアダムは繊細な感じの中に、演技に迷い?があったかもしれないが、
グラドニーは迷いがない感じ
演技がどれもドッシリとしていて圧巻の連続
アダムの困り顔とかひょうきん過ぎた
→イケメンのイメージゼロなのほんと良い
浮気相手殺すシーン怖い
迷いなし
アネットのヘンリーとはまた違う怖さ
浮気相手に撃たれた時また死ぬのかとドキッとした
●フランシス・ハではアダムとグレタは若くて恋人らしきシーンもあったので、
今回のホワイト・ノイズの熟年夫婦を見て感慨深いものがあった
この辺ももっと語りたいな
まだまだ余韻が残る
不思議な面白い映画だった
また見たい
サウンドトラック
ホワイトノイズのサウンドトラックをSpotifyで聴いてみた。
どんよりした感じの曲や緊迫感のある曲などが多い印象。
身近に迫った死を連想させるイメージが盛り込まれてるのかな。
作曲のダニー・エルフマンは「チャーリーとチョコレート工場」の音楽を制作していた人だった!
ウンパルンパ〜♪