アダムのオープニングのトークは、とても落ち着いて堂々としていた(今回が3度目のホスト)
終始「僕はチル(chill)だからね」を連発。
チルは日本語では「穏やか」とか「冷静」などと訳される。
アダムはスターウォーズのカイロ・レン役やGIRLSのアダム・サックラー役の「激しい」イメージが強いので「僕はチル(穏やか)だからね」と、いきなりシニカルなジョークで笑いを誘っている。
「穏やか」な性格であることをアピールするためなのか、いきなり観客席に話しかけ「スターウォーズファンだな!」と決めつけるように言って、カイロ・レンのフィギュアを無理やり相手にプレゼントする。
「穏やか」と言っておきながら、強引に贈り物を押し付けるようなのがかえって笑いを誘う。
↓参照元
もとから、カイロ・レンのグッズを贈るような人だったようだ。
サタデー・ナイト・ライブのコントでは「穏やか」な性格をアピールした途端に「転売したら殺す!」と「激しい」一面をのぞかせ、さらに笑いに転じている。
その「激しさ」にカイロ・レンやアダム・サックラーを彷彿とさせる。ファンには逆に美味しいシーンとなっている。
と、ここまで書いていてふと気づいたが、このライブは2020年1月25日放送であり、世界をコロナウイルスが席巻する前のことであった。
ライブの誰もマスクをしていないし、透明なボードもない。まだ人々がコロナに怯える前の穏やかな日常の風景がそこにあった。なんとも懐かしく羨ましく感じる。
切なくもある。
だからアダムはその前年の2019年にたくさん映画等に出演したことを語っている。あのスターウォーズ・スカイウォーカーの夜明けも公開したばかりだったのだ。
あまりそこを考えすぎると悲しくなってくるので話をライブの内容に戻すと、アダムの話ぶりは堂々として落ち着いている。黒のシャツと黒ズボンといつも履いてるスニーカーでシンプルな出立ちではあるが、全体的にすっきりとしていわゆる「クールな」感じだ。
ここで彼は自分が既婚者でかつ息子がいることを告白している(観客からは歓声)。
奥さんの尻に敷かれている様子も見て取れる。
住まいはブルックリンであることも公表した。
ハリウッド・スターはマンハッタンに住むことが多いらしいが、彼の偉大なキャリアは始まったばかりだし彼の慎ましい生活(というか性格)まで感じ取れる。
ブルックリンに住むのも結構すごいことだと思うが。
「僕は元海兵隊員なんだ。俳優業と似てるよ。」という言葉を聞けたのがすごく良かった。
彼はいろんな場面でこれと似たようなことを言っているが、彼の口から観客に向けてハッキリ聞けた。
それとスカーレット・ヨハンソンさんの…(アダムはジョハンソンと発音していたね。(これは英語読み)
彼女との共演について話していた。
このライブ放送の前年にあたる2019年に「マリッジ・ストーリー」で共演したばかりだった。
彼女とキスしたので、彼女のダンナ、コリン・ジョストさんと間接キスしたことになるとかそんなようなことを力説してた(笑)
コリン・ジョストさんはスタンダップ・コメディアンで、このサタデー・ナイト・ライブの共同脚本家であることからタイムリーな話題とともに話したのだと思われる。
アダムのモノローグでの全体的な雰囲気は、私の個人的な感想だが「ブラック・クランズマン」のフリップに感じが近いかなと思った。
アダムはSNSをやらないので素の姿がイマイチよく分からないけれども、あのフリップの落ち着いた雰囲気を感じた。
実話によって、カイロ・レンのファンにグッズを贈るあたたかい心のある人であることもわかってきた。
全体的に落ち着いた(ファン向けに、カイロレンらしさも滲ませながら)良いオープニングだったと思う。