先月、ずっと観ていた仮面ライダー鎧武、終わってしまいました。
このブログの一つ前の記事では、「鎧武、面白くない。残念」的なこと書いてましたが、最終回まで見終わって俄然、評価が変わって来てしまいました。
最終回の一つ手前の回で、主役の二人、仮面ライダー鎧武とバロンが退場してしまうんですよね。
最終回そのものは、その主役二人が去った後の後日談的なエピソードが描かれていますね。
残ったライダー達が、すごくカッコ良く描かれていて、それが作品全体の質を高めているような気がしました。
ライダー達のたまり場、フルーツカフェの「ドルーパーズ」にて、仮面ライダーメロンとドリアンとグリドンとクルミの4人が、あらたに出現した敵についてどう対応したらいいか対策会議を開いているところ(それを見守る店主)のシーンとか、思わず胸が熱くなりました。
もう彼らは、仮面ライダーに変身するためのベルトを壊されてしまってライダーとしては闘えないんですよね。
それでも生身であらたな敵に挑んでいく様が、敵にやられちゃうんですけど、、、カッコいいです。
主役の二人、
バロンは現世のあり方を全否定してあらたな世界を作ろうとし、
鎧武は、すべてを背負って別世界へ旅立つ。
バロンは全部をぶっ壊して、新しいものを作ろうとしたけど、それは結局1人を除いて誰もついて行かなかった。
作者も、こういう生き方を選ぶ人を物語の最終勝利者にはしなかった。
作者自身が、こういった生き方を懐疑的に思う故の結論なのだろう。
だけども、時には今までの古いものを壊して新しいものを作ることも必要だよね。
鎧武は「戒斗(バロンのこと)の理想は正しかった。ちょっと方向性を間違えちゃっただけで…戒斗の夢を俺たちが叶えようぜ」的なことを発言していた。
でもそれは地球でやるとみんなに迷惑がかかることになるよね、と(いうことなのだろうか)
新たな別の世界へ旅立っていった。
鎧武の選択した道は、一つの理想的な昇華された神の領域に近い超人技だよね。
私は、そうした理想の頂点を目指した主役二人が去ったあとの、凡人たち(というと聞こえは悪いかもしれないが)、
ライダーに変身できなくなった普通の青年たち、メロンやドリアンたちの行動に強く胸を打たれることになった。
オーバーロード、インベスといった悪災は、主演の二人が取り去ってくれたが、その後の地球を守り、元の平和な世界に戻そうと奔走するメロンたちの姿が心を打つ。
メロンこと呉島貴虎(たかとら)が、最終回で「復興」というセリフを口にする。
その「復興」という言葉と彼らの守る都市、沢芽市の様子が、東日本大震災で被災された都市を彷彿とさせ、その復興と被る。
壊すのって簡単なんだよね。
でもそれを直す、元に戻す、立て直すって、すごい大変なことなんだよね。
貴虎は、そういう壊れたもの(精神が壊れかけた実の弟も含めて)を全部受け止めて、
それを修復、復興していくために頑張ってるんだよ。
カッコ良くて、涙が出て来るぜ。
貴虎のことは(視聴者ウケを狙ってわざとバカなことをしていたのはわかっていたけど)、さんざんバカにしてごめんね。良いやつだった。
はい、そういうことで。
仮面ライダー鎧武観て良かった。
有意義な一年間の視聴でした。